
京都大学ラグビー部
百年史
京都大学ラグビー部は、その源流を辿ると第三高等学校の生徒が1910年9月に下鴨神社 糺(ただす)の森で慶應義塾大学の学生からラグビーの手ほどきを受けた史実に至ります。現地には「第一蹴の地」の石碑がその史実を示しており、第三高等学校に伝授されたラグビーは、1922年に創部された京都大学ラグビー部に受け継がれ現在に至ります。
2022年に百周年を迎える京都大学ラグビー部ですが、その創設は第三高等学校にラグビーが伝わった1910年であり112年の歴史を有する日本で二番目に古いラグビー部であると言えます。
旧制三高ラグビー部の歴史
1910年
「第三高等学校嶽水会蹴球部」が日本のルーツ校である「慶応義塾體育會蹴球部」に続いて創部。
1911年4月6日
日本最古の定期戦「三高対慶応」戦始まる。(三高0-39慶応、三田)
1916年12月23日
三高・京大生により「天狗倶楽部」誕生。
1919年1月7日
早稲田大学ラグビー蹴球部創部初試合に完封勝利。(三高15-0早稲田、戸塚)
1922年4月29日
三高とKRAC(神戸外人クラブ)、英国皇太子を三高に迎え、プリンス・マッチを実現。(三高8-3KRAC)
1945年9月30日
戦後の復活第一戦。京大と対戦。(三高0-59京大)
1948年11月21日
旧制三高、全国旧制高校体育大会(インターハイ)で優勝。(三高22-6成蹊)
1949年1月4日
日本最古の慶応・三高の定期戦に幕。
1950年3月
三高が戦後の学制改革により京都大学に合併される。
1969年10月
三高OBにより、創部60周年を記念して、関西ラグビー発祥の地、
下鴨神社糺(ただす)の森に「第一蹴の地」の石碑が建立される。


大正6年(1917年)3月4日、岡山で行われた
天狗クラブ(京大)対三高の試合。
下鴨神社の「第一蹴の地」石碑
京都大学ラグビー部の歴史
1897年
「京都帝国大学」創立
1914年
京大単独チームの「京大ラグビー倶楽部」誕生。
1919年
谷村敬介を中心に「京大ラグビー・クラブ」結成。
12月14日、関西ラグビークラブ「オールホワイト」に勝利(京大9-0オ)
このころのユニフォームは白。
1920年9月
京都大学のスクールカラーが、オックスフォード・ブルーにちなみ「濃紺」に決定。
1922年1月10日
京大ラグビー・クラブ、東大との初対戦。(京大0-13東大、三高G)
1922年度
「京都帝国大学ラグビー部」創部。
1923年度のユニフォームは、京大のスクールカラーである濃紺と白のダンダラ縞。
1923年5月22日
極東オリンピックで同志社大と初対戦。初戦引き分け、再試合で敗退。(京大3-3同大)(京大0-5同大)
1923年12月30日
初の慶応戦が行われる。慶応のセブンFWシステムと京大のエイトFWシステムとの対戦に注目が集まった。(京大0-10慶大、三高G)
1924年度
新設の農学部に、北白川グラウンド誕生。
このころのユニフォームは明るいブルー一色で、胸に「大学」のマークが入っている。
1925年12月30日
京大グラウンドで、早稲田大と初対戦、敗退。(京大0-9早大)
1926年度
「大学」マークに代わって、京大のシンボルである白い「ライオンマーク(立てる雄獅子)」が登場。奥村竹之助の発案で、内藤資忠が四条烏丸の岩田屋運動具店に頼んで作ったものといわれている。ユニフォームはライトブルー。
1926年から17年間、「全国高專ラグビー大会」を京大ラグビー部が主催又は主管。
1926年4月25日
初の九州遠征。九州大と対戦。(京大32-0九大)
1926年
香山蕃氏、京大コーチに就任。
1926年12月5日
関西学生の首位を賭け、同志社大と対戦、辛勝。(京大8-7同大)
1927年度
現在と同じ、濃紺一色のユニフォームの胸に白いライオンマークとなる。
部歌「真澄の空」誕生。山田耕作作曲の「青年の歌」の曲を借りて、都留勝利が作詞。
1927年〜28年
同志社、東大、慶応、早稲田を破って初の全国制覇。
1927年12月4日(京大8-4同大)
1927年12月28日(京大22-0東大)
1928年1月1日(京大11-5慶大)慶応大に初勝利
1928年1月7日(京大14-11早大)
*27年度、28年度、29年度、3年連続全国制覇を達成。
1928年11月17日/11月24日
2つの台覧試合。
秩父宮殿下、同妃殿下、高松宮殿下、賀陽宮・同妃殿下が、本学運動会でラグビー試合をご観戦。
秩父宮殿下、同妃殿下が京大新人VS三高の試合をご観戦。
1929年1月10日
立教大と初対戦で、敗北。(京大6-20立教)
1929年11月22日
花園ラグビー競技場完成。記念行事で京大生・京大OBが多数を占める全日本学生選抜VS全日本OB戦開催。(全学24-11OB)
1930年1月7日
明治大学と初対戦、勝利。三年連続全国制覇。(京大12-8明大)
1930年9月
カナダ遠征の全日本に京大からは三島実(FW)、岩前博(HB)、上田成一郎(SO)の3人が参加。
全日本6勝1引分。
1930年1月27日
カナダチーム来日。京大単独チームと対戦。(京大5-43カナダ)
1930年1月31日
カナダと全日本が対戦。
京大現役から三島(FW)、平生(TB)、OBから足立(FW)、馬場(TB)が出場。全日本勝利。(日本9-8カ)
1932年12月28日
東大に創部以来の敗北。(京大6-24東大)
1934年1月
全豪州学生選抜チーム来日。全関西チームに、京大からOB武田、三島、現役から斎藤、島本、伊地知が出場。(関西15-33豪州)
1934年12月2日
同志社を下し、3年ぶりの関西王座に返り咲き。(京大35-6同大)
1935年1月7日
関東首位の明大を破るが、慶応に敗退し完全制覇ならず。(京大16-13明大)
1936年一月
ニュージーランド学生選抜チーム来日。
全関西チームに、京大から岩男、池田、小川、磯田、関西学生チームに、岩男、池田、渡辺、斎藤、平沢、松野、小川が出場。
1937年11月3日
早稲田との定期戦、9年ぶりに復活。(京大5-24早大)
1938年1月1日
慶応大に9年ぶり勝利。(京大8-5慶大)
1938年4月
満州、朝鮮に遠征。全満州、鮮鉄などと6戦全勝。
1939年4月
全日本学生選抜チームが九州に遠征。京大から柴田、和田が選出。
1940年
皇紀2600年記念のアジア大会日本代表チームに、京大現役から久保田、白山、石黒、OBから柴田、和田が選出。
1941年12月8日
太平洋戦争突入。
1943年10月17日
戦時中最後に京大グランドで行われた公式対抗戦、同志社戦は京大の勝利。(京大14-10同大)
1943年10月19日
戦時中最後の非公式東西対抗戦は、三高グランドで東大と対戦。(京大11-12東大)
1945年8月15日
終戦。
1945年
9月30日 戦後の復活第1戦を三高と行い、大勝。(京大59-0三高)
12月2日 同志社との定期戦復活、快勝。(京大11-9同大)
12月9日 東大と戦後初試合。(京大5-11東大)
1946年
1月1日 上京し、慶応と戦後初の定期戦(京大8-21慶大)
11月3日 早稲田との戦後復活第1回定期戦を京大グラウンドで開催。(京大26-14早大)
1947年3月30日
第一回東西学生選抜ラグビー試合開催。京大から芝山、和智、新村、柴垣(志)、堀江、広海、清水が選抜。
1949年
学制改革で、旧制高校チームが姿を消す。
1950年3月
三高が戦後の学制改革により京都大学に合併される。
1951年10月7日
創部三十周年記念式典
1952年〜53年
三高時代「プリンス・マッチ」を実現した奥村竹之助が国際交流復活に尽力。1952年にはラグビー日本代表の監督に就任。同年のオックスフォード大とのテストマッチでは指揮を執った。
1952年1月 全香港ラグビーチーム招聘。京大から柴垣が出場。
1952年9月 オックスフォード大学チーム来日。
学生連合では、京大から中村、柴垣、谷口、宮川が出場。柴垣は「日本代表」としても出場。
1953年
「京都帝国大学ラグビー部」が実質的に終焉、「国立京都大学ラグビー部」の時代へ。
1955年
OBによる支援体制「京大を強くする会」発足。
1958年8月
高尾連隊長率いる松本自衛隊で初の夏合宿。
1960年4月
星名秦氏、京大コーチに就任。以降十余年にわたり、本格的指導を受ける。
1960年12月
九州大学との第一回定期戦が行われる。
1961年12月28日
星名理論を忠実に展開、15年ぶりに早稲田を破る。(京大17-14早大)
1962年5月27日
成城大学を京大グラウンドに迎え、初の対戦。(京大9-6成城)
1963年8月
釜石で初の夏合宿。
1963年12月
関西Aグループリーグ発足。A、B、C三部制リーグとなる。この年京大は3勝3敗、天理、甲南と同率三位。
1964年1月5日
明治大学と最後の定期戦。(京大6-25明大)
1966年1月1日
全国大学選手権第2回大会に初出場。一回戦で早稲田と対戦。(京大9-25早大)
1967年4月
京大宇治グラウンドへの移転を決定。
1969年1月1日
全国大学選手権第5回大会に二度目の出場。一回戦で中央大と対戦。(京大18-27中央大)
1971年12月19日
慶応大に19年ぶりの勝利。(京大32-24慶大)
1972年1月1日
全国大学選手権第8回大会に三度目の出場。一回戦で早稲田と対戦。(京大9-89早大)
1973年12月23日
全国大学選手権第10回大会出場。初戦早稲田と対戦。(京大6-71早大)
1974年12月21日
全国大学選手権第11回大会出場。一回戦に明大と対戦。(京大6-58明大)
1976年6月5日
防衛大と定期戦始まる。(京大4-30防大)
1977年11月13日
星名氏が9月に逝去。同志社戦が「星名追悼試合」に(星名杯)。
1982年9月23日
京大ラグビー部創立60周年記念式典。
直前の9月15日、長居競技場で行われた慶応定期戦で亡くなられた日野公嗣氏の慰霊式典も合わせて行われた。
1987年1月1日
1987年5月
第25回近畿地区国立大学体育大会で、京大ラグビー優勝。
1992年9月26日
創部70周年記念式典。宇治グラウンドに観覧スタンド新設。
1998年4月
京都大学ラグビー部ホームページ開設。
1999年度
吉田学(FB/四條畷)が関西大学ラグビーBリーグベスト15に選ばれる。
2002年6月2日
12年ぶりに、近畿国立大学ラグビー大会に優勝。(京大50-24大教大)
2002年9月
創部80周年記念式典。
右は、記念式典のオープニング映像。
2006年
クラブ組織として「京都大学ラグビーフットボールクラブ」スタート。
2007年6月
宇治グランドを天然芝グランドに整備。
2008年3月
関西学生選抜チームの香港遠征メンバーに大脇克也(SO/旭丘)が選ばれる。
2008年6月7日
エジンバラ大学との国際交流試合。(京大21-52エジンバラ)
2008年度
森田暢謙(CTB/天王寺)が関西大学ラグビーBリーグベスト15に選ばれる。
2010年6月27日
ICL(Imperial College London)との国際交流試合。(京大19-61ロンドン)
2011年8月27日
台湾大学との国際交流試合。(京大36-0台湾)
2012年3月
宇治グランドにクラブハウス完成。
2012年9月1日
創部90周年記念式典と同志社定期戦・OB戦開催。
2019年10月2日
京都大学と株式会社丸和運輸機関が、京都大学ラグビーフィールド整備に係る寄附に関する覚書に調印。
2020年11月1日
「100周年記念サイト」を開設
2021年3月30日
「京都大学丸和運輸機関ラグビーフィールド」オープニングセレモニーが開催
2021年4月18日
トップリーグ清水建設vs日野戦にて、京大ラグビー部OBの小川拓朗選手(清水建設ブルーシャークス)が出場。初のトップリーガーに。
2022年7月9日
創部百周年記念シンポジウム ・式典開催
右はシンポジウム・ウェビナー映像
2023年4月15日
オックスフォード大(グレイハウンズ)を迎え100周年記念試合
京大23-15オ大で京大勝利。
2024年3月21日
初の英国遠征でオックスフォード大(グレイハウンズ)と再戦
京大51-34オ大で京大勝利。

