定期戦の相手校、防衛大学のOB 中谷元・衆院議員(元防衛相=S55年卒)にお話を伺った。
▼インタビュー動画:「(1)防衛大学校のラグビーと京大」はこちら
—ラグビー歴や防衛大でのラグビー生活を
ラグビーを始めたのは防衛大に入ってから。足が遅く、BKから3年になってFWに転向、4年生のころにはロックでレギュラーになった。監督らに言われたのは「土に親しむラグビー」 という土臭いもの。学生舎生活で、朝6時にラッパで叩き起こされる。乾布摩擦や体操をして、朝食、朝礼。午前、午後の課業があって、午後4時から2時間ぐらい練習する。その後、風呂や夕食。忙しいので風呂をカットすると、同部屋の先輩に怒られた。
—陸自に入ってからは
部隊に配属になって、普通科部隊の小隊長になった。隊員が40人ぐらい、その上の中隊が160人ぐらい。そこでラグビー部をつくって、若い隊員に教えた。時々社会人とも試合をした。みんなの団結や士気の向上に生きた。チームで行動することをラグビーから教えてもらった。
―京大との定期戦の思い出を
あまり勝った記憶がない。(実際には4年生時=S54年度は19-13で防衛大の勝ち)宇治のグラウンドの風景はよく覚えている。当時の防衛大校長は京大出身の猪木正道氏で、国際関係論の権威だった。定期戦は京大、東大ぐらいしかない。交流ができてよかった。
—防衛大は2023年にフランスに遠征し士官学校と対戦している。国際交流の意義を
非常にいいことだ。各国の軍との交流なので、同じ軍人として、ラグビーをするものとして、国際的な連帯がある。どこに行っても熱烈な歓迎式典があるし、試合後の友情の交換がある。国際性を身につけるためにも大切だ。自衛隊は陸海空ともにラグビーをやっている。W杯の年には世界軍人大会があり、この8年はそれにも参加している。
▼インタビュー動画「(2)ラグビー国際交流の価値・重要性 と ジャパンW杯活躍・再招致」はこちら
—去年(2023年)はW杯の年
W杯の年には国会議員の対抗戦がある。1998年に国会にチームができ、翌年のウェールズ大会から参加している。私は森喜朗元首相のあとを継ぎ、2004年から主将になった。その後、各国での大会に参加した。2015年のイングランド大会には、平和安全法制担当の防衛相で参加できなかったが、夜中の採決とほぼ同時刻、日本が南アに勝ったというニュースがあって、世の中の雰囲気が変わったのを覚えている。
国会議員・鯨枠ラグビーチームでのプレイ(秩父宮ラグビー場他)
—2019年のW杯招致でも活動された
2019日本大会成功議員連盟会長だった。なんとか何年かがかりかで、できてよかった。チケットも売れて黒字になったし、運営の評判も高かった。ぜひまた招致したい。日本もベスト8に入って、自信をつけた。
—学生がラグビーに取り組む意義は
ラグビーで一番身につけられたのはGo Forwardという精神。最初は内気で消極的だった。やっているうちに体で覚えてきて、チャンスがあったら一歩でも前に行こうということが見につくようになり、非常に能動的に考えるようになった。当たりも練習するほど、勇気と度胸と勘所が身につく。「闘球」というスポーツを通じて前にいけるようになった。ラグビーをやっている人は、いつも前向きだ。
▼インタビュー動画「(3)全 学生ラガーへのエール」はこちら
▼中谷元さんのプロフィール
1957年、高知市生まれ。防衛大卒業後、陸自に任官。退官後、90年に衆議院選初当選し、以来当選11回。防衛庁長官、防衛大臣、首相補佐官などを歴任。高知県ラグビーフットボール協会会長。
取材:2023年12月21日
夏山真也=S54年、真田正明=S55年、西尾仁志=H2年
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