2024年3月16日(土)に関西国際空港を旅立った京都大学ラグビー部の一行55名は、同日夕刻ロンドンに到着した。
翌17日(日)にリージェントパークにて、ロンドンジャパニーズ有志と前日練習を行った後に、現地OB主催の歓迎会に参加した。中華の美食を満喫して、ICL(Imperial College London)との初戦に備えた。
ICLとの14年ぶりの対戦は、ロンドン郊外ヒースロー空港そばのICL Sport Groundで実施された。遠征参加メンバーの全員で戦ったA戦・B戦の2試合をレポートする。
Imperial College London (ICL)
ロンドンの名門大学Imerial College Londonの全学ラグビーチームとして1918年に設立。2010年の日本遠征を行い、神戸にて対戦、今回が2回目の対戦となる。
京都大学A vs Imperial College Union RFC 1st XV
2024年3月18日(月) 15:30KO
先蹴:京都大学 @ Imperial College London Sport Ground
●試合結果
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
7 | 6 | T | 0 | 1 |
5 | 2 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
45 | 34 | 計 | 0 | 5 |
10 | 5 | P | 3 | 1 |
0 | 0 | FK | 0 | 0 |
京都大学A 79-5 Imperial College Union RFC 1st XV
▼京都大学A vs ICL 前半戦
▼京都大学A vs ICL 後半戦
●メンバー
【京都大学 A】
1.松井佑太朗(3) 桃山学院 2.小向拓未(4) 開明 3.佐藤孔明(4) 清真学園 4.佐々木光二朗(1) 高槻 5.飛鳥真弥(3) 北野 6.草野太耀(2) 小倉 7.辻尾優翔(1) 北野 8.山本宗一郎(3) 長崎西 9.野澤朋仁(3) 北野 10.大鶴健(3) 灘 11.平井悠太(4) 天王寺 12.鈴木誠大(1) 湘南 13.加清渓太(4) 都立青山 14.土屋樹一郎(2) 北野 15.山口博生(2) 旭丘 | 16.谷澤拓海(1) 静岡 17.和氣宏典(M1) 東海 18.横山ルイ(5) 静岡 19.梅園倫太郎(4) 神戸 20.西山恵慈(4) 都立国立 21.中山脩(5) 灘 22.柿本大輝(4) 六甲学院 23.村上敬一朗(4) 神戸 24.酒井寛太郎(M2) 東大寺学園 25.大鶴誠(1) 灘 |
【京都大学コメント】
志村大智監督代行
コーチの志村です。
まずはじめに、本遠征の実現にあたりご尽力、ご支援いただいた皆さまに感謝申し上げます。無事に全員が英国に到着し、初戦を迎えることができました。
ゲームの方は、B戦同様DFで相手の自由を封じるとともに、接点の強度で勝り、ほぼ何もさせずに勝利することができました。
ただし、レフリングへの対応に苦しみ、イエローカードを2枚も出してしまったことは課題。ゲームの中で適応しアジャストすること、よりクリアに見えるようプレーすることの必要性が感じられたと思います。
次戦も勝利し、4戦全勝で遠征を終えられることを期待します。
山口博生(2回 旭丘) FB
英国での初戦でしたが、ボールやグラウンドが慣れない状況のなか相手アタックを封じれてよかった。
大鶴誠(1回 灘) CTB
イギリス遠征までに試合復帰ができて良かったです。
次のオックスフォード戦では自分の実力を最大限発揮したいと思います。
応援よろしくお願いします。
鈴木誠大(1回 湘南) CTB
試合展開でなにもすることなく終わってしまった。次の試合はまた気を引き締めて頑張りたいです。
山本宗一郎(3回 長崎西) No.8
MOMに選んでいただきました。A戦でのMOMは初めてな上、相手から選出してもらったことがこの上なく嬉しいです。試合前は自分より大きい選手がゴロゴロいることが初めてで、かなり緊張しましたが、逆に大きい相手だからこそいつもよりプレーしやすい部分もあり、タックルなど良いイメージを得られたと思います。OXF戦も自信を持って臨もうと思います。
草野太耀(2回 小倉) FL
身長の高い外国人に対して低いタックルを決めれていたことは自信になった。次のオックスフォード大戦ではより強度が上がると思うので思いっきり刺さるタックルをしていきたい。
佐々木光二朗(1回 高槻) LO
まずこの特別な試合をプレーできたことを誇りに思うとともに、これを実現してくださったOBや関係者のの皆様に本当に感謝しています。自分としてもスタートから試合に出して頂けたのは久々だったので、期待に恥じないプレーをしようと意気込んで試合に臨みました。残り少ない遠征期間にこの地のラグビーと文化を噛み締め、次の試合も全力で勝利できるように頑張ります。
MG/冨田
慣れない地での試合、はるかに体格差のある相手との試合でした。しかし臆することなく自分達のプレーを行い、見事な勝利を収めることができました。また、試合後のアフターマッチファンクションでは現地の文化に触れ、いつもとは違った雰囲気を楽しむことができました。
【ICLコメント】
Comments by Andrew J. Evans, Rugby Development Officer, Imperial College London
I am overjoyed with the success of Mondays games, we are hugely grateful to Kyoto University for including Imperial College in their tour plans and we hope to one day return the favour. It was clear on their arrival that the Kyoto Squad was extremely organised and disciplined and this was reflected in the style of play from both their 1XV and 2XV. I highly effective and aggressive defence made it extremely difficult for the Imperial rugby players to get any opportunities to put points on the board, forcing us to take chances in attack with risky passes and late offloads. Whilst we managed to score 19 points in the first game Kyoto were clinical with their chances, executing some scintillating running rugby to punish the smallest mistakes.
The second match was no different, although Imperial were able to match the Kyoto Scrum, we were unable to keep up with the surgical precision of Kyotos backline who easily moved the ball across the pitch. A consolation try to end the game felt a fitting finish to the game, although once again the Kyoto defence proved very difficult to break down and certainly made us work for the 5 points.
Although Rugby was the star of the show, what I took away from the event was the festivities after the match with both teams mixing in the bar and singing together. It just goes to show that despite the 15 hour flight between Kyoto and London, the shared rugby values are universal!
A massive thank you to Kyoto University again, your players were exemplary on the field and matched their performance of the field with how they conducted themselves.
We very much look forward to a future for both Universities and hopefully it won’t be another 14 years before our next meeting.
<訳>
京都大学ラグビークラブがインペリアル・カレッジ・ロンドンとの対戦を遠征日程に組み込んでいただいたことに心から感謝しています。京都大学ラグビークラブが非常に組織的で統制が取れていることは、グランドに到着した時に明らかで、それはAチームとBチームのプレースタイルにも反映されていました。非常に効果的でアグレッシブなディフェンスで、インペリアルの選手たちが得点を挙げる機会を得るのを非常に困難にし、こちらとしては危険なパスやタイミングの悪いオフロードで攻撃チャンスを作らざるを得なかったです。第1試合では19点を挙げることができましたが、京都大学はチャンスを確実にものにし、わずかなミスも見逃さない見事なランニングラグビーを披露しました。
第2戦も同様で、インペリアルは京都のスクラムとは互角に戦うことができましたが、グランド上を端から端まで簡単にボールを運ぶ京都大学のバックラインの正確さにはついていけませんでした。京都大学のディフェンスを崩すのは今回も非常に難しく、5点を取るのに苦労させられましたが、試合終了前のインペリアルのトライは、試合を締めくくるにふさわしいものでした。
ラグビーが主役のイベントでしたが、私がこのイベントから得た一番のものは、試合後のアフターマッチファンクションで両チームの選手たちがお互いに交流し、一緒に歌を歌ったことです。京都とロンドンは飛行機で15時間離れているのにも関わらず、ラグビーの価値観は世界共通だと感じた瞬間でした。
京都大学の皆さん、本当にありがとうございました。京都大学の選手たちはグランドで模範的なプレーを見せ、また選手たちの立ち振る舞いがグランドでのパフォーマンスと一致していました。
私たちは、両大学の将来の交流に大いに期待しています。次にお会いするのが14年後にならないことを願っています。
Comments by Yu Sugihara, Captain,
Imperial College Union Rugby Club
"First of all, I would like to thank the representatives from Kyoto University, Mr Clark and our coach Andy for making this game happen. We had a great time not only with the game but also socialising with the players from Kyoto, forming meaningful connections through our shared passion for rugby.
It had been 14 years since us two teams last played each other so we had no idea what to expect from the game. Although I hate to admit, we were completely overwhelmed by the speed and power of the Kyoto University Rugby Team. It was a completely different style of rugby as to what we were used to playing against. The tempo at which they played didn't allow us to catch a break at all and we were punished for every mistake that we made. It was also evident that each player had a true passion for rugby and were enjoying every minute of playing with each other which was fantastic to see. Even though we lost, I was inspired by their style of play to become better ourselves and I'm sure I was not the only person who felt this way.
I felt truly privileged to be a part of this experience and I hope the players from Kyoto had an equally meaningful time as we had. I am looking forward to our rematch. I promise it will be a closer game! “
<訳>
まず第一に、この試合を実現させてくれた京都大学ラグビークラブ(KIURFC)の方々、レジ・クラーク氏、そしてアンディ・エバンス氏(ICURFCコーチ)に感謝いたします。試合だけでなく、京都大学の選手たちとも交流し、ラグビーへの共通の情熱を通じて有意義なつながりを築くことができました。
私たちインペリアル・カレッジ・ロンドンと京都大学が最後に対戦したのは14年前でしたので、どんな試合になるのかまったく見当できませんでした。認めたくはありませんが、私たちは京都大学のスピードとパワーに完全に圧倒されました。京都大学のラグビーは私たちが普段対戦し慣れているラグビーとはまったく違うスタイルでした。京都大学のテンポのいいプレーは、私たちに息つく暇を与えず、逆にこちらがミスをするたびに不利な状況に追い込まれました。また、選手一人ひとりがラグビーに対する真の情熱を持っていて、お互いにプレーを楽しんでいるのが伝わってきました。負けたとはいえ、京都大学のプレースタイルには大きく刺激を受け、自分たちももっとうまくなりたいと思いました。そう感じたのは私だけではなかったはずです。
このような機会に参加できたことを本当に光栄に思います。京都大学の選手たちも、私たちと同じように有意義な時間を過ごせたことを願っています。将来の再戦をとても楽しみに待ち望んでいます。次はより僅差な試合になることを約束します。
京都大学B vs Imperial College Union RFC 2nd XV
2024年3月18日(月) 13:30KO
@ Imperial College London Sport Ground
レフリー:米澤悠聖(KIURFC)
●試合結果
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
3 | 6 | T | 2 | 1 |
3 | 2 | G | 1 | 1 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
19 | 34 | 計 | 12 | 7 |
2 | 1 | P | 6 | 3 |
0 | 0 | FK | 0 | 0 |
京都大学B 53-19 Imperial College Union RFC 2nd XV
▼京都大学B vs ICL 前半戦
▼京都大学B vs ICL 後半戦
●メンバー
【京都大学 B】
1.和氣宏典(M1) 東海 2.谷澤拓海(1) 静岡 3.横山ルイ(5) 静岡 4.根鈴敬久(3) 金蘭千里 5.坪井勇揮(1) 明和 6.朝比奈佑紀(4) 神戸 7.有田俊平(1) 洛星 8.橋本駿太郎(2) 北野 9.石原洋祐⑵ 四日市 10.新家洋平(2) 鶯谷 11.中武知輝(3) 宮崎西 12.五十嵐諒(2) 静岡 13.森下湧生⑷ 北野 14.尾崎永季(4) 私立城北 15.小林晃大(1) 北野 | 16.小向拓未(4) 開明 17.松井佑太朗(3) 桃山学院 18.才田隼輔(2) 久留米高専 19.梅園倫太郎(4) 神戸 20.奥谷大地(1) 菊里 21.園田大輔(2) 神戸 22.中村幸平(1) 修道 23.柿本大輝(4) 六甲学院 24.堀温人(4) 明和 25.信原壮馬(4) 高津 |
【京都大学コメント】
志村大智監督代行
コーチの志村です。
まずはじめに、本遠征の実現にあたりご尽力、ご支援いただいた皆さまに感謝申し上げます。無事に全員が英国に到着し、初戦を迎えることができました。
ゲームの方は、直前にキックオフの時間や試合の順番が変更になるなどイレギュラー(アウェーの洗礼?)もあったが、出足の早いDFと低いタックルで相手の自由を奪い、比較的京大のペースで進めることができたと思います。
改善点としては、ピッチやボールがスリッピーな状況で、五分五分のプレーで得点機を逃すシーンがいくつかあったこと。
本日でた課題を改善して、次戦も勝利できるよう頑張りましょう。
五十嵐諒(2回 静岡) CTB
前半はアタックの回数が多かったが、焦りから不要なミスを連発してしまい、なかなかアタックが継続できなかった。相手がオフロードを繋いでくる大味なチームであったため、それに合わせるのではなく、自分たちのラグビーを貫くことが大事だと感じた。
後半はだんだんと落ち着いてボールを回せるようになり、練習してきた成果が出てきたと思う。バックスとしてフォワードの立ち位置を統率することが、まずクリアしたい個人的な目標である。
貴重なイギリス遠征で勝利することができて、非常に満足である。
新家洋平(2回 鶯谷) SO
フライト、市内観光の疲れもある中、勝てたことは良かったです。しかし、練習してきたことを十分に発揮することはできなかったので、修正して次の試合も勝ち切れるよう頑張ります。
小林晃大(1回 北野) FB
初めての海外での試合でグラウンド環境等の違いに驚きましたが楽しむことができて良かったです。オックスフォード戦も頑張りたいです。
根鈴敬久(3回 金蘭千里) LO
本場イギリスの大学生の快活なプレイを肌で体感することができました。ICUの選手たちは背が高く恵まれた体格をしていましたが、そんな相手にも自分たちがやってきたラグビーは十分以上に通用し、試合に勝つことができたので、とても嬉しかったです。
園田大輔(2回 神戸) FL
久々のラグビーだったけど、激しさをもってプレーすることが出来て良かったと思う。ラインブレイクもできたし、ラグビーの勘も戻ってきたのでオックスフォードの試合も頑張りたい。
奥谷大地(1回 菊里) LO
相手の体の大きい選手に負けることなくしっかりタックルに入って止めることが出来ました!ボールを貰う瞬間も多い試合でとても楽しかったです!
MG/冨田
イギリス遠征3日目、現地での初戦でした。体格差を覆すようなゲームを行うことができました。この勢いでオックスフォード大学戦も勝利を収め、実りある英国遠征にしたいと思います。
アフターマッチファンクションでペナントやグッズの交換。
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